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食事指導は「プレート法」でシンプルに

2014/10/17

 糖尿病の患者さんに「炭水化物を控えてください」などと言っても、通じないことがある。炭水化物とは何か、という説明から始めなければいけないことが多いからだ。

 私の勤めているクリニックは、今は一般の患者さんも受け付けているものの、ブルーカラーの労働組合の付属医院として始まった歴史があるため、裁縫士、清掃人、洗濯業、調理士、ドアマンなどの労働組合に所属する患者さんが圧倒的に多い。私はスペイン語を話すので、スペイン語しか話せない患者さんを主に担当している。もちろん、自力で勉強して、本好きで物知りな患者さんもいる。しかし、例えば、識字率の低い国(エルサルバドルなど)で小学校教育しか受けておらず、アメリカに移住してきた後も、自分で本を読んだり学んだりすることが叶わなかった患者さんの場合、 栄養に関する基礎知識が非常に乏しいことが多い。

 彼らが好んで食べる白米やパン、トルティーヤ(すり潰したトウモロコシや小麦で作る薄焼きパン)などの主食は、野菜や果物よりはるかに安くお腹を一杯にできる。私は日々、糖尿病や高血圧など慢性疾患の診療に明け暮れているが、一昔前まで裕福な人の病気だった糖尿病も、今では、貧しい人たちこそがかかる病気となっているのだ。

 「糖尿病になりかけですよ」と説明する時でも、患者さんの教育レベルに合わせなくてはいけない。「炭水化物」「カロリー計算」などとスペイン語で言っても通じないからだ。皆、「甘いものが良くないらしい」というのは知っている。でも、甘く感じられなくても糖尿病を悪化させる食べ物があることを説明するは難しい。

著者プロフィール

緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にあるカイザー病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介

緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。

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