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肉も、魚も、卵も、乳製品も食べないパーティーって?

2014/01/21

 非営利組織で働く20代の痩せ形の女性が、「最近、手足がしびれるんです」と言ってやってきた。このような主訴でやってくる若いアメリカ人の患者さんに、私が必ずする質問がある。「Are you a vegan or a vegetarian?」

 菜食主義の人は昔からいたが、ここニューヨークでは近年、非常に増えている。ロハスやオーガニックといった流行と共に、 環境に良く、体に良い(ということになっている)菜食主義は、中流・上流階級の間ではやり始めているライフスタイルなのである。2013年の年末には、ビヨンセとJay-Z(アメリカで人気のラッパー)がクリスマスまでの22日間、完全菜食主義(ビーガン:乳製品や卵も食べない主義)を貫き通し、毎日の食卓をブログで公開して話題になった。

 しかし、動物性の食品をまったく食べないと、ビタミンB12が不足することがあり、まれだがしびれなどの症状を起こすことがある。肉は避けても乳製品と卵は食べるベジタリアンにはめったにないが、それらも全く口にしないビーガンではまれに見ることがあるのだ。冒頭の患者さんもビーガンであった。血液検査では、ビタミンB12のみが異常値(低)であったので、ビタミンB12(1000mcg/日)の服用を始めてもらった。

 ところで、みそやしょうゆをよく使う日本食ならともかく、いわゆるアメリカンな食事でビーガンを貫こうとすると、どんな食卓になるのだろうか?

ニューヨークにはベジタリアン向けの食品がいっぱい!
 ニューヨークの自然派スーパーに一歩足を踏み入れると、豆腐でできたチーズ風の食品を始め、菜種油でできたマヨネーズ風調味料、亜麻の種でできた卵の代替品などが並んでいて、ビーガンピザも食べられる。

 ミルク類にいたっては、ざっと見ただけで、豆乳が数種類、ライスミルク(米のとぎ汁を甘くしたもの)、ココナッツミルク(飲めるように薄めたもの)、オートミルク(燕麦を絞ったもの)、ヘンプミルク(麻を絞ったもの)、アーモンドミルクなどが、専門店でなくても、普通のスーパーで手に入るのは、さすがマンハッタンである。ビーガンのレストランも、少ないが増えてきた。

著者プロフィール

緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にあるカイザー病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介

緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。

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