日経メディカルのロゴ画像

南相馬市立総合病院が初めての初期研修医を受け入れて(前編)
被災地の病院が初期研修医に与えられるもの

2013/07/01
小鷹昌明

研修医を囲む医局会議。復興の「次の一手」として臨床研修病院の指定のための議論も何度と行われてきた。

 被災地・南相馬市の中核医療機関、南相馬市立総合病院の職員である私たちは、医療の再生もさることながら、住民の安心のために、放射線被曝の検診事業や仮設住宅における健康調査などを行ってきた。それらの取り組みが一段落し、私たちは復興のために「次の一手」を打った。それは臨床研修病院の指定の取得である。

 昨年度の1年間をかけて、私たちはこの春のために準備を行った。大急ぎで研修プログラムを作成したり、各部署にその旨を周知させたり、行程表を作って吟味したり、私も神経内科“科長”(スタッフはひとりだが)として、元・大学病院准教授として、そのプログラム作りに参画した。

 その結果、臨床研修指定病院を拝命することに成功し、初年度にもかかわらずフルマッチを実現させた!2人の枠ではあるが。こうした私たちの地道な活動が知られてきたためか、2人の初期研修医以外にも、今年度より全国からたくさんの研修医や医(看護)学生が、地域医療を学ぶためのカリキュラム枠、いわゆる“地域医療枠”によって短期研修や実習に来るようになった。さながら“研修バブル”でも訪れたかのように。

被災地の病院が提供できる研修プログラムとは
 「きちんとした研修を受けられる病院とは?」と問われれば、「指導医の教育スキルが高く、症例が豊富で、検査や治療のためのツールがそろっている」ということになるだろう。医療というのは、「経験を拠り所にした技術の提供である」ということに、私も異論はない。だから、多くの患者、多くの疾患、多くの診察、多くの手術を体験できる病院で研修するに越したことはない。

著者プロフィール

小鷹昌明(南相馬市立総合病院神経内科)●おだかまさあき氏。1993年卒後、某大学神経内科に所属し、病棟医長、医局長、准教授を歴任。一念発起して2012年4月から現職。「今、医療者は何を考え、どうすべきか」をテーマに、現場から情報発信を続ける。

連載の紹介

小鷹昌明の「医師人生・四“反省”期」
医学部入学から四半世紀になろうとしている小鷹氏。自分の医師人生を四“反省”期として振り返ります。医療・医学、社会問題・社会現象、人間関係・生き方、自らのこだわりといった4つのテーマについて、様々な角度から語ります。

この記事を読んでいる人におすすめ