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医療現場の舌禍を救ってくれる血液型

2012/02/17
小鷹昌明

 このような文章を書いていることからお察しいただけるかと思うが、私は職場の同僚や事務員などに思ったことをそのまま言ってしまう。人と話す際には「空気を読まず」、「一言足りない」ほうが、相手の本質を引き出せるという、私なりの作戦はあるのだが、やはり誤解を生むこともある。

 例えば、ダイエットに成功している女性に対して、「その程度の痩せ方で満足していてどうするのだ」というようなことを平気で言ってしまう。

 その真意は、「今まで成功してきているのだから、この先もその調子で頑張ればもっと素敵になるだろう。だから気を抜かずにこのまま努力したらいい」ということなのだが、口から出たら、もう後の祭りである。しばしば殺意を抱かれる。

 「歳は取りたくないですね」と言われ、「あなた、何年生きてきたの? まだ、20年しか生きていないのに40歳になっていたら、そりゃ文句も言いたいだろう。だけど、40年生きてきて40歳なんだから、当たり前でしょう」と言ってしまったこともある。

 このときの真意は、自分の人生に40年分の価値がないと思っているから嘆きたくなるので、「もっと後悔のない取り組みをしたらいいのではないか」ということだった…。

「先生はB型ぁ? だから合わないのよね」
 職場の女性たちの会話に耳を傾けたことがある人なら同意してくれると思うが、大抵はグルメか芸能か家族、たまにショッピングと美容の話である。(と書いてしまうから、また殺意を抱かれてしまう)

 中でも圧倒的に多いのは“食べ物”の話である。「どこへ何を食べに行った」とか、「どこそこの何が美味しいらしい」といった話ばかりである。確かに食べ物の話なら思想が絡みにくいから、相手とぶつかることもなく、和やかな空気を保てるのであろう。

 テレビでも朝から食べ物の話題ばかりである。世界には、まともに食事をしていない人が10億人以上はいるであろうに、日本人の関心のトップは金儲けでも、趣味でも、ファッションでも、異性でもない。食うに困ることのない現代でも、“食欲”のままなのである。

 私は、そういう狭いテーマには興味がない(食べ物を軽視しているわけではなく、何でも美味しく食べられる私は、グルメには興味がないということである)。だから、別な話題に変えるとともに、迂闊に喜べない現実を伝えようと、これまた、思ったことをそのまま言ってしまう。

 「アタシ、魚の煮付けは生臭い感じがして食べられないんですよねぇ」などと言われれば、「そんな好き嫌いをしていて、老後一人になったら生きていけるの? 老人ホームに入所したら、ほとんどのおかずが煮物だよ、それともボケちゃうつもり?」。

著者プロフィール

小鷹昌明(南相馬市立総合病院神経内科)●おだかまさあき氏。1993年卒後、某大学神経内科に所属し、病棟医長、医局長、准教授を歴任。一念発起して2012年4月から現職。「今、医療者は何を考え、どうすべきか」をテーマに、現場から情報発信を続ける。

連載の紹介

小鷹昌明の「医師人生・四“反省”期」
医学部入学から四半世紀になろうとしている小鷹氏。自分の医師人生を四“反省”期として振り返ります。医療・医学、社会問題・社会現象、人間関係・生き方、自らのこだわりといった4つのテーマについて、様々な角度から語ります。

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