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M-VAC療法の治療前予測法の研究成果を発表します

2006/09/27

 明日9月28日から3日間の予定で、日本癌学会が横浜で開催されます。私は、日本癌学会とアメリカ癌学会の共催で29日に開かれる「Personalized Medicine in Oncology」セッションで司会と講演をします。

 「Personalized Medicine」、私は「オーダーメイド医療」と命名していますが、現在利用されている薬剤のオーダーメイド的な利用とは、「効きそうな可能性の高い患者、無効の可能性の高い患者」の層別化することにあります。これから開発される薬剤は分子標的治療薬が主流になりますので、当然、薬剤の作用ターゲットは明確であり、その意味では開発の段階で、対象とされる患者が限定されるオーダーメイドセッティングになっているはずです。

 話を私の発表に戻しますが、発表内容の一つは膀胱癌術前化学療法であるM-VAC療法の治療前予測法です。M-VAC療法とは、メソトレキセート、ビンブラスチン、アドリアマイシンあるいはその誘導体、シスプラチンの4剤を組み合わせた化学療法で、現在膀胱癌の治療に最もよく行われる化学療法です。2004年に入り、すべての薬剤が膀胱癌の治療薬として保険適用になっています。

 我々は、数年前から、3万種類の遺伝子について、M-VAC療法の治療効果が見られた患者さんと見られなかった患者さんの間で発現レベルが違っている遺伝子を検索し、14種類の遺伝子の発現レベルが大きく違っていることを見出しました。

著者プロフィール

中村祐輔(東大医科学研究所教授)なかむら ゆうすけ氏 阪大医学部を卒業し、大阪府立病院、市立堺病院などで外科医として勤務。臨床の現場で生まれた「なぜ正常細胞が癌化するのか?」という疑問を解くべく渡米、染色体地図作りに貢献。91年に大腸癌の癌抑制遺伝子を発見。95年より現職。

連載の紹介

中村祐輔の「Let's 個の医療」
患者の直面する問題を解くことこそ医学研究”をモットーとする中村氏が、急速に進展するオーダーメイド医療、世界に取り残されつつある日本の実情などを、気の向くままに紹介していくブログです。遺伝子診断をはじめ、臨床現場に普及し始めた「個の医療」の今をお届けします。

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