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ついこぼしていませんか?部下の悪口

2009/05/20

 部下が、陰で上司の悪口を言うのは、よくあることです。居酒屋などで仕事仲間が集まってお酒を飲むと、時間が経つにつれて、話題の中心が組織や上司の批評になることもしばしばです。

 だいたいその批評は良いものではなく、時として悪口となります。しかし、日常生活やドラマの一場面などでしばしば遭遇するそのような光景は、どちらかというとかわいらしいものであり、自分としてはあまり違和感を覚えません。横でこっそり聞いていると「そうだ、そうだ、それは上司が悪い」と賛同する時もあれば、「きれい事や理屈だけでは世の中うまくいかないのだ」などとつぶやき、上司の肩を持つこともあります。

 上司や組織への批判は、働き始めたばかりの社会人などに見られる「反抗期」の行動とも受け止められ、正常な反応ともいえるでしょう。一方、上司は上司同士で集まって、部下をしばしば批評します。これはこれで普通であり、適材適所を考えた人事配置を行う上でも大切です。

 しかし、部下の前で、その場にいない部下の悪口を言ってしまう上司がいますが、これには何か違和感を覚えます。決して尊敬に値する行為とは言えません。まず、その場に居る人はどの様な反応をしたらいいか迷ってしまいます。また、「もしかしたら、この上司は自分がいないところで自分の悪口を言っているのでは?」という疑問を部下に抱かせてしまうかもしれません。

 陰で部下の悪口を言うのは醜い行動ですし、上司としての自分の価値を下げてしまいます。上司と部下には、上下関係が存在します。それがために、上司は部下に対して、時にマナーに欠けた言動で接してしまいがちです。くれぐれも、気をつけたいものです。

 話は少し変わりますが、「器が人を育てる」などとよくいわれます。私は結構正しいと思っています。「まだまだ若いものには任せられない」、「俺がいなくては」と、自らの地位に固執する企業や組織のトップは決して少なくありません。さらには、不祥事を起こした後になっても「組織の健全化、改善に努めたい。今、辞めたのでは責任を果たせない」などとのたまわれる方がいらっしゃいます。

著者プロフィール

緑山草太(ペーンネーム)●みどりやま そうた氏。消化器外科医。1988年、東京の医科大学を卒業。2000年、栃木県の国立病院の外科部長。2004年に再び東京の大学病院に戻り、医局長を務める。

連載の紹介

緑山草太の「僕ら、中間管理職」
良い診療も良い経営も、成否のかぎを握るのは中間管理職。辛くとも楽しいこの職務は、組織の要。「良い結果は健全な組織から生まれる」と話す緑山氏が、健全な組織を作るための上司の心得を紹介します。

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