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これ消毒してありますか?

2013/02/08

 ある日の外来で、眼底を詳しく診るために接触型レンズを眼に入れようとしたら(もちろん、どういう検査をするかは説明してあります)、患者さんがすっと身を引いて、「これ消毒してありますか? 消毒には何を使っていますか?」と質問されました。

 ちょっと驚きましたが、神経質な方だと知っていたので、「今、レンズに載せたスコピゾルというどろっとした物を石けんで洗い流したあと、ミルトンにつけ置きします。レンズの材質がオートクレーブ滅菌できないものですので」と答えると、納得してくれました。

 診察後、「うちは、かなり感染症に気をつかっている眼科だと思いますよ」と言うと、「そうですよね」と言ってくれました。以前、初診時に、他院で結膜炎がうつったことを話してくれていた患者さんです。

 うつりやすい結膜炎=流行性角結膜炎(はやり目)は、眼科の病棟閉鎖になるくらいの感染力のあるアデノウイルスによって起こります。外来のみのクリニックでも患者さんが感染してしまうことはあります。本当にそうだったのかは不明ですが、「病院(クリニック)でうつされた」という意識のある患者さんは、診察時にとても神経質になっています。

 当院は、診察後の手洗い+速乾性消毒剤はもちろん、睫毛を抜く鑷子(せっし)もアルコール綿で拭いただけ、とはせず、患者さんごとに滅菌しますし(結構使い回しをしている眼科は多いのです)、午前と午後の終了時、そして結膜炎の患者さんが来院した際には、患者さんが触るエリアのアルコール消毒をしています。検査用の点眼薬も汚染源になるので、分注して患者さんごとに捨てています。

 ここまでやっていても、それが表に出ることはありませんから、分かってくれている方は上述の患者さんくらいかな、とは思っています。

著者プロフィール

目黒瞳●めぐろ ひとみ。生まれ育った地元で、2008年に眼科を開業。2009年9月までNMOで「診療所開業奮戦記」を執筆した。おじちゃん・おばちゃんに愛される“町の目医者”を目指して修行中。

連載の紹介

目黒瞳の「オンナ開業医よしなしごと」
眼科医として、女医として、そして新米開業医として、日々の診療に奮闘する目黒瞳(ペンネーム)が、毎日の出来事や世の中の事件について、心にうつりゆく“よしなしごと”を綴ります。

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