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負け続けても笑っていられる“楽観的人生観”のススメ

2020/02/13
松原好之(進学塾ビッグバン主宰)

 昨年暮れ、大阪市北区にある北野病院の耳鼻咽喉科チームが、鼓膜穿孔による難聴を手術不要で治療する鼓膜再生療法を開発し、チームリーダーのK医師による記者会見の模様がテレビで放映されました。私は画面に映るK医師の会見模様を、興奮と緊張の面持ちで見ました。

 というのも、1981年から約16年間、K医師は、浪人生→京大医学部生→京大医局の医師へと駆け上っていく間、私の方は駆け出しの作家→河合塾講師となっていったわけですが、その間、彼と私は、もう一人のパートナーとともに「大学受験・北斗塾」を共同経営した仲間だったからです。96年に私が共同経営を降りてから、彼は京大医局へ、私は河合塾講師と進学塾ビッグバンの単独経営へと離れていき、音信も途絶えてほぼ四半世紀が過ぎていました。

 四半世紀ぶりにテレビで見る彼のその顔、表情、声調が、あの頃と全く変わっていないのを知って、あの頃分かち合ったお互いの人生観もさほど変わっていないのだなと確信することができました。それとともに、じわじわと、懐かしさと得も言われぬうれしさがこみ上げてきました。

 あの頃分かち合った人生観とは、「世の中甘い、何とでもなる」から始まり「国を信じるな、されど国を愛せよ」といった、今となっては苦笑を禁じ得ない、甘ったるいものでした。

 けれど、それを合言葉にするかのように、私たちは寝食を忘れて“熱血指導”をし、88年から93年あたりにかけてわが「北斗塾」は、生徒数500人を超すまでに成長しました。私は英語、国語、歴史を、彼は数学、物理、化学を教えていましたが、そのさなかに何とK医師自身も京大医学部に合格しました。

 「入試問題を“教える側”から眺めるとまた違った切り口が見つかり、それが功を奏したのだ」と彼は揚言しました。彼の「入試問題である限り解けない問題はない」というそのアルゴリズム的な考え方は、典型的問題とその解き方のひな型をカードの裏表に載せてまず「暗記させる」という「カード式勉強法」の考案に繋がり、多数の難関大合格者を出すなど十分な成果となって表れました。彼のアイデアマンとしての稟質は、このたびの鼓膜再生療法を予感させるものだったと思いますし、パートナーだった私、今も受験産業に携わる者としても大きなヒントであり続けています。私が経営する医学部専門予備校進学塾ビッグバンの「逆算式勉強法」もその一つです。

著者プロフィール

松原好之(「進学塾ビッグバン」主宰)●まつばらよしゆき。近著に「”逆算式勉強法”なら偏差値40でも医学部に入れます」(講談社)、「9割とれるセンター試験の”逆算式勉強法”」(KADOKAWA中経出版)がある。

連載の紹介

松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」
すばる文学賞受賞作家、大手予備校のカリスマ英語教師、そして医系予備校「進学塾ビッグバン」の主宰者である松原好之氏が、医学部受験の最新ノウハウや、中高生・予備校生の子どもとの付き合い方などを指南します。
本連載の著者、松原好之氏の
『親子で目指す医学部合格 受験のプロが教える難関突破最新ノウハウ』
好評発売中

 本連載の著者、松原好之氏が、医学部受験の最新ノウハウを書き下ろした書籍『親子で目指す医学部合格 受験のプロが教える難関突破最新ノウハウ』がこのほど出版されました。
 東京医大事件、医学部入試新規範、学費大幅値下げ、偏差値上昇……。大変革期に入った医学部入試の現状と今後の方向性を、医系予備校「進学塾ビッグバン」で、数々の “落ちこぼれ” を難関大医学部に合格させてきた松原氏が鋭く解説しています。最新の受験テクニックは私立医大と国公立大に分けて詳説。また、医師という職業のキャリアパスについても、最新データを基に解説しています。子どもを医学部に入れたい父母、医学部受験を目指す中高生。浪人生、高校の進路指導担当者必携の1冊です。
(松原好之著、日経メディカル開発、1800円+税)

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