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国公立医学部入試“虎の巻”~その1~
国語に注意!地歴公民は現代社会で

2011/05/13

 今年の国公立大学の志願者数は前年から約1万5000人増加し、50万4193人(前年比103%)でした。志願倍率も前年の4.89倍から5.01倍へと上昇しました。

 中でも、医・歯・薬・保健学科は、合わせて前年比108%と、他の学科に比べ、最も志願者増加率が高くなりました。医学科は、2008年以降医師不足に伴う入学定員増の措置が取られてきましたが、実は昨春(2010年)入試までは、志願者数はさほど伸びを示していませんでした。ところが今春入試においては、医学科は再び人気が急上昇、一層難化しました。

国公立医学科は定員増も一般入試枠が縮小
 理由としては、センター試験の易化が挙げられると思います。各科の先生の話を総合すると、「国語、特に古文・漢文だけはやや難化したものの、あとは全ての科目が易化した」というのが結論です。易化すれば、自分だけではなく、他の受験生の点数も高くなるわけですから、手放しで喜べないはずですが、当事者である受験生心理としては、「よっしゃ―、いっちょう上を狙ったろう!」となるようです。

 今年の医学部医学科の入学定員は、国公立大では55人増となっていますが、募集方法が一般入試から推薦入試へとシフトしていることもあり、実は、一般入試そのものの募集人員は、前・後期日程とも減少しています。つまり、一般入試生にとっては、定員増で易化するどころか、より「狭き門」となったわけです。

 今年、医学部に限らず、他の理工系学部および教員養成学部など、「手に職を」「資格を」的な色彩の強い学部に人気が集まったのは、やはり先行きの見えない時代相の反映かな、とも思えます。文系学部は、旧帝大の法学部と関西圏の大学の経済・経営学部を除き、ほとんどが昨年の志願者数を下回りました。先行きの見えない中、保守化した若者(とその親)のブランド志向のせいでしょう。

私立医学部に一つ合格したら国公立対策に専念を
 国公立と私立の大きな違いは、センター試験の受験が必須かそうでないかと、学費の差です。国公立医学部の英、数、理に関しては、どの進学校も予備校も確かなノウハウを持っています。ほとんどの公開模試は、母集団も内容も、国公立受験向けになっており、さらにセンター試験を受けた後のリサーチは、普段の模試成績を入力することにより、かなりの精度で合否が判定できますから、普段から公開模試をしっかり受けていれば、適切な志望校選びもできます。つまり受験産業は、大学入試制度をある意味リードするほどまでに成熟しているのです。いいか悪いかは別として……。

 国公立医学部と私立医学部を併願する人は、まず国公立2次の願書締め切り(大体2月上旬)までにどこか私立医学部に合格し、一応入学手続きをしておかれることをお勧めします。私立医学部に一つでも受かると、もう私立は受ける必要がなくなり、2月に実施される他の私立医学部の対策に時間を取られることなく、まる1カ月、国公立2次に向けての対策に充てることが可能です。

著者プロフィール

松原好之(「進学塾ビッグバン」主宰)●まつばらよしゆき。近著に「”逆算式勉強法”なら偏差値40でも医学部に入れます」(講談社)、「9割とれるセンター試験の”逆算式勉強法”」(KADOKAWA中経出版)がある。

連載の紹介

松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」
すばる文学賞受賞作家、大手予備校のカリスマ英語教師、そして医系予備校「進学塾ビッグバン」の主宰者である松原好之氏が、医学部受験の最新ノウハウや、中高生・予備校生の子どもとの付き合い方などを指南します。
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(松原好之著、日経メディカル開発、1800円+税)

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