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自分ほど「出来が良くない」子どもへの歯がゆさ

2010/09/15

 はじめまして。松原好之と申します。私は、遠い昔に「すばる文学賞」を受賞したことがあるので、いちおう肩書は「作家」ということになっていますが、実際の生活手段としては「河合塾」にて英語科講師として教歴28年、自ら主宰する「進学塾ビッグバン」で同じく14年のキャリアがありますので、本当は、「受験屋」という呼び名の方が自分にはふさわしいと思っています。

 非医師の私が医療専門サイトに原稿を書くことになり、いささか緊張しています。先に述べたように、私はいわゆる「受験屋」でして、これまで医学部受験生を含めた多くの受験生を相手に進路指導をしてきました。通算するとざっと7万5000人ほどになりますでしょうか。ことに大阪・茨木に本拠を構える「進学塾 ビッグバン」は医学部受験をこととする塾で、医師である親御さんや、医師を目 指す受験生と多く付き合ってきました。教え子の中には既に臨床の最前線で働く医師も数多くいます。

 今回から、「子どもが医師を目指している」、あるいは「子どもを医師にしたい」医師の親御さん向けに、医学部受験の最新事情、思春期の子どもの教育法、受験生を持つ親の役割などについてつらつら書いていきたいと思います。

 一般の受験生の親と違って、医師でありかつ受験生の親の方々というのは、一定の傾向があります。それは、(1)自分もかつては医学部受験生として激戦を勝ち抜いてきたという自負と誇りと知識を持っている(2)それだけに医師である親は子どもの受験に関与する度合いが一般の親以上である(3)中でも開業医の場合は、後継者の問題が絡み、なかなか言うことを聞かない子どもへの対処に困っているケースが多い――などです。

 そして、親が国公立大学医学部卒の場合、自分ほど「出来が良くない」子どもへの歯がゆさを感じることが多いようです。一方、親が私立医学部卒の場合、自分の受験時代以上に入試問題が難化し、競争も激しくなっている私立医学部受験そのものに戸惑っていることが多いという傾向もあります。

 以前、ある男子医学部受験生から「先生、うちのオヤジ何とかしてくれません か」という相談を受けたことがあります。彼の父親は旧帝大医学部を現役で合格して医師になったバリバリの元気者。受験生の彼が浪人してからは、何十年も前の自分の受験生時代の自慢話が頻繁になったそうで、それがたまらなくうっとうしいのだそうです。

 つまるところ、オヤジには確かに勉強では勝てない。かといって男だからどこかでオヤジに勝ちたい、どうしたものか…というのが真意のようでした。とりあえずの私の回答は、「昔と今の受験制度と試験問題の質の違いをオヤジさんにきちんと説明せよ。その上で、今の医学部受験に関する情報量だけはオヤジに負けないから、と付け加えよ」でした。

著者プロフィール

松原好之(「進学塾ビッグバン」主宰)●まつばらよしゆき。近著に「”逆算式勉強法”なら偏差値40でも医学部に入れます」(講談社)、「9割とれるセンター試験の”逆算式勉強法”」(KADOKAWA中経出版)がある。

連載の紹介

松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」
すばる文学賞受賞作家、大手予備校のカリスマ英語教師、そして医系予備校「進学塾ビッグバン」の主宰者である松原好之氏が、医学部受験の最新ノウハウや、中高生・予備校生の子どもとの付き合い方などを指南します。
本連載の著者、松原好之氏の
『親子で目指す医学部合格 受験のプロが教える難関突破最新ノウハウ』
好評発売中

 本連載の著者、松原好之氏が、医学部受験の最新ノウハウを書き下ろした書籍『親子で目指す医学部合格 受験のプロが教える難関突破最新ノウハウ』がこのほど出版されました。
 東京医大事件、医学部入試新規範、学費大幅値下げ、偏差値上昇……。大変革期に入った医学部入試の現状と今後の方向性を、医系予備校「進学塾ビッグバン」で、数々の “落ちこぼれ” を難関大医学部に合格させてきた松原氏が鋭く解説しています。最新の受験テクニックは私立医大と国公立大に分けて詳説。また、医師という職業のキャリアパスについても、最新データを基に解説しています。子どもを医学部に入れたい父母、医学部受験を目指す中高生。浪人生、高校の進路指導担当者必携の1冊です。
(松原好之著、日経メディカル開発、1800円+税)

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