今から20年も近くも前のことです。脳循環代謝改善薬という大層な名前のローカルドラッグ群について、承認後10年以上経って再評価が必要とされ、ハードエンドポイントを評価指標にしたプラセボ対照試験が改めて行われました。その結果、プラセボと有意差が認められなかった4成分14品目は製造・販売中止となりました。承認以後合計で8000億円も売り上げたと言われる日本版ブロックバスターの数々がこうして忽然と姿を消したのです(関連記事)。
そんな騒動を経た今日でも、全ての薬についてハードエンドポイントによるエビデンスが求められているわけではありません。特に生活習慣病治療薬のほとんどは、血圧、LDL-コレステロール、血糖といった代用エンドポイントに対する有効性を根拠に承認されています。心血管イベント抑制のエビデンスを検証する試験が行われる場合でも、承認後何年も経ってから、それも多くは企業ではなく、医師主導で実施されてきました。
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著者プロフィール
池田正行(高松少年鑑別所 法務技官・矯正医官)●いけだまさゆき氏。1982年東京医科歯科大学卒。国立精神・神経センター神経研究所、英グラスゴー大ウェルカム研究所、PMDA(医薬品医療機器総合機構)などを経て、13年4月より現職。

連載の紹介
池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」
神経内科医を表看板としつつも、基礎研究、総合内科医、病理解剖医、PMDA審査員などさまざまな角度から医療に接してきた「マッシー池田」氏。そんな池田氏が、物事の見え方は見る角度で変わることを示していきます。
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