日経メディカルのロゴ画像

認知症患者の半数は家族に虐待を受けている

2009/03/19

 認知症患者への家族による虐待について調べた英国の研究。

 認知症への虐待はまれなものでなく、半数に認められるほど普遍的なものらしい。認知症治療では、患者のケアだけでなく、ケアを行っている家族へのケアも重要だ。

Abuse of people with dementia by family carers: representative cross sectional survey
BMJ 2009;338:b155, doi: 10.1136/bmj.b155 (Published 22 January 2009)

【目的】認知症患者に対する家族による虐待の実態を明らかにする。
【調査】英国のエセックス州とロンドンの地域精神医学チームによる横断的調査。調査対象は、二次精神科サービスに新規登録した在宅認知症患者をケアする家族220人。
【主要アウトカム】心理的・身体的虐待。改訂版葛藤戦術尺度(revised modified conflict tactics scale:CTS2)で測定。
【結果】結果は、220人中115人(52%、95%信頼区間[CI]:46-59%)が、何らかの虐待行為を報告し、74人(34%、95%CI:27-40%)が重大なレベルの虐待を報告した。言語的虐待が主だが、3人(1.4%)が身体的虐待を報告した。
【結論】ケア家族の虐待行為は多く、半数が何らかの虐待行為を行っており、3分の1が重大レベルである。身体的虐待や頻繁な虐待は少なかったが、そうした虐待行為は渋々報告されていた。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ