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ニュースメディアの医学記事に見られる「偏り」

2008/10/03

 今回のJAMAのレポートは、新聞などのニュースメディアの「バイアス」を問題にした報告。医学研究を取り上げた記事では、その研究に対する製薬会社からの資金提供(pharmaceutical company funding)に言及されることが少なく、記載される薬剤の名称が、一般名(generic medication name)ではなく商品名(brand medication name)に偏っていると指摘している。

News Media Coverage of Medication Research
Reporting Pharmaceutical Company Funding and Use of Generic Medication Names

JAMA. 2008;300(13):1544-1550.

 306の医学研究を取り上げた記事のうち、130(42%、95%信頼区間[CI]:37-48%)は、企業からの資金提供について言及していなかった。

 一般名と商品名がともに存在する医薬品を取り上げた277の記事のうち、医薬品に言及した部分の半数以上で商品名を使用していた記事は186(67%、95%CI:61-73%)だった。

 新聞編集者(newspaper editors)への調査では、93人中82人(88%、95%CI:80-94%)が、「常にもしくはしばしば」企業の資金提供について記載していると回答。92人中71人(77%、95%CI:67-85%)は、発表記事中の医薬品を、一般名で「常に・しばしば」紹介していると回答した。

 しかし、会社のpolicies statingに「医学研究では資金提供元企業を明記する」としているのは、92の新聞のうち3つの新聞(3%、95%CI:1-9%)であり、「薬剤名を一般名で紹介すべき」としているのは、93の新聞中2つ(2%、95%CI:1-8%)だけだった。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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