片頭痛の治療に変化をもたらしそうな報告。
Parenteral dexamethasone for acute severe migraine headache: meta-analysis of randomised controlled trials for preventing recurrence
BMJ 2008;336:1359-1361
【目的】急性重症片頭痛の疼痛軽減および再発予防に対する、コルチコステロイド静注の有効性の検討
【デザイン】メタアナリシス
【データソース】電子データベース(Cochrane Central Register of Controlled Trials、Medline、Embase、LILACS、CINAHL)、 conference proceedings、臨床ガイドライン
【選択クライテリア】 成人の急性片頭痛について、コルチコステロイド(単独または標準治療がうまく行かなかった場合の投与)とプラセボまたは標準治療を比較したランダム化対照比較試験
【レビュー方法】2人のレビュアーが独自に、relevance、inclusion、study qualityを評価。加重平均差異と相対リスクを算出した。
【結果】666の候補から、inclusion criteriaに一致する7研究を対象にした。標準治療不成功後に続き、デキサメタゾン静注単回投与とプラセボで、疼痛改善と72時間以内の頭痛再発を比較。
デキサメタゾンとプラセボの疼痛軽減効果は同様(加重平均差 0.37、95%信頼区間 -0.20 - 0.94)。
デキサメタゾンは、再発率減少という面では、プラセボより効果的(相対リスク 0.74、95%信頼区間0.60 - 0.90)。
副作用のプロフィールについては、デキサメタゾンとプラセボ群で類似していた。
【結論】片頭痛標準治療がうまくいかない場合に、デキサメタゾン静注は26%ほど、72時間以内の頭痛再発を減少させる(number needed to treat=9)