クラスの“influential student”に喫煙防止の大きな役割を担わせるというのは、良いアイデアのようだ。憧れの同級生が「たばこはだめ」といえば響くし、影響は放課後まで及ぶ。先生からの単なる指導より、よっぽど効果があるのかもしれない。
An informal school-based peer-led intervention for smoking prevention in adolescence (ASSIST): a cluster randomised trial
Lancet 2008;371:1595-1602
【介入】
イングランドとウェールズの59学校における12~13歳の生徒1万730人について、29学校(生徒5372人)を従来の禁煙教育の継続(対照群)、30学校(生徒5358人)を介入群に、ランダムに割り当て。
ASSIST(A Stop Smoking In Schools Trial)プログラムと名付けた介入法は、教室以外のinformalな時間でも喫煙はしないようにクラスメートに働きかけるよう、“influential student”(影響力が高い生徒)をトレーニングするというもの。
介入直後と1年後、2年後の状況をフォローアップ。
【結果】
対照群と比べた介入群の喫煙のオッズ比は、
介入直後(n=9349):0.75(95%信頼区間 0.55-1.01)
1年後(n=9147):0.77(0.59-0.99)
2年後(n=8756):0.85(0.72-1.01)
喫煙のリスクが高い生徒(開始時に喫煙歴があった生徒)についてのオッズ比はそれぞれ、介入直後(n=3561)が0.79(0.55-1.13)、1年後(n=3483)は0.75(0.56-0.99)、2年後(n=3294)は0.85(0.70-1.02)だった。
3回のフォローアップについてトータルのオッズ比をthree-tier multilevel modelで算出すると、0.78(0.64-0.96)だった。