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アロマテラピーは疼痛、免疫、ストレスに効果なし

2008/03/26

 疼痛、免疫機能、ストレスホルモン反応について、アロマテラピーの効果は認められないという報告。

Olfactory influences on mood and autonomic, endocrine, and immune function
Psychoneuroendocrinology 2008;33:328-339

アロマテラピーはその人気の高さにもかかわらず、有効性を示すデータは乏しく、そのメカニズムも議論の対象となっている。

リラックス目的のにおい(ラベンダー)、刺激性のにおい(レモン)、無臭の対照(水)について、ランダム対照化トライアル試験で、cold pressor(氷水に手をつけるストレス)前後の、心理、自律神経系、内分泌系、免疫系の指標を調べた。被験者は56人の健康な男女で、3回に分けて施行。

期待効果を評価するため、blindに割り当てられた被験者には、においについての情報は教えず、primedに割り当てられた被験者には何がにおっていて、何のにおいに変わるかの情報を与えた。

自己報告および気分測定の結果、レモンオイルは水、ラベンダーに比べて、ポジティブな気分を高める確固としたエビデンスが得られた。この結果は、においの情報の有無、使用経験による変化はなかった。

さらに、cold pressor後のノルエピネフリンは、水、ラベンダーに比べて、レモンのにおいで増加した。
カンジダへのDTH反応は、レモン、ラベンダーよりも水の方が大きかった。
このほか、IL-6、IL-10、唾液中のコルチゾル、心拍、血圧、テープ剥離後の皮膚バリアの回復、cold pressor後の痛みの度合いは、においによって変わらなかった。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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