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炭水化物はグレリンのリバウンドを生じ、早期空腹をもたらす?

2008/01/31

 低炭水化物・高脂肪食Atkins食)の減量効果や有害性は、個人的に興味のあるテーマである。主要栄養素の配分は空腹感に関係するのか。そして、糖尿病肥満、やせ過ぎなどの治療に反映できるのだろうか。

 炭水化物脂質よりも蛋白質の方が、食欲刺激ホルモンであるグレリンghrelin)を抑制するというメカニズムが示唆される報告がされたようだ。

 グレリンは空腹感に影響を与えると考えられ、食前に血中濃度が増加し、食事とともに減少するといわれている。グレリン濃度に炭水化物、蛋白質、脂質といった主要栄養素がどう影響を与えるかの研究は、体重減少のための食事指導のデザインに重要である。

 飲料で摂取した後の3時間に限定すれば、炭水化物の方が蛋白質より抑制効果が強かった。しかし、炭水化物の場合、明らかなリバウンドが認められ (ベースラインに対してP<0.001)、蛋白質や脂質ではリバウンドは生じなかったとのこと。

 炭水化物による総グレリンおよびアシルグレリン活性型グレリン)のリバウンドは、低炭水化物ダイエットにおいて、炭水化物摂取で早期空腹リバウンドをもたらす可能性を示唆することとなる。

 極端なAtkins食は別として、主要栄養素の配分による食欲調整ができるならば、新しい食事指導の提言ということにもなるだろう。また、グレリンの関与がはっきりすれば、肥満治療の薬剤開発への期待が高まる。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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