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OTCの拡大に伴うリスク増加を危惧する

2008/01/17

 薬業団体はOTCの対象を広げようと画策しているが、そのリスクに言及することは少ない。一方、米国の大衆薬協会(Consumer Healthcare Products Association:CHPA)は日本と違い、OTC薬による薬物乱用の予防に協力的なようである。

 米Substance Abuse and Mental Health Services Administrationによれば、12~25歳の約310万人(5.3%)が鎮咳薬感冒薬の乱用者となっている。OTC感冒薬の乱用はLSDより多く、覚醒剤のメタンフェタミンよりはるかに多い数である。

 鎮咳薬のリスクに関しては、米CDC米FDAで以下の指摘がある。

心臓伝導系に影響し、ひいては不整脈を生じる可能性があり、血管への影響で高血圧や脳卒中との関連も指摘されている。

まれなケースだが、小児においては通常量でさえ障害を受けることがある。CDCの2004~05年の研究では、2歳未満の小児1519人で重篤な健康問題を生じていることが判明。3人が死亡していることを確認している。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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