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難治性喘息に対するクラリスロマイシンの投与量は?

2008/01/09

 クラリスロマイシンのこういう報告って、日本がらみのばかりと思ってたが、オーストラリアのデータで、かつin humanの報告。

 難治性喘息患者は、ステロイドと長時間作用型の気管支拡張薬という最大限の治療を施しても、症状がなかなか治まらない。これらに付加する治療は限定されている中で、非好酸球性の炎症をターゲットとする付加療法も必要とされている。クラリスロマイシンなどマクロライド系抗菌薬は、非好酸球性喘息のカギとなる炎症性メディエーターであるIL-8や好中球に対して有効(in vitro)という報告があり、重症の難治性喘息患者で検討してみたという話。

Clarithromycin Targets Neutrophilic Airway Inflammation in Refractory Asthma
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2008;177:148-155

【方法】重症難治性喘息患者45人を、クラリスロマイシン(500mg、1日2回)とプラセボにランダムに割り付け。投与は8週間。

【アウトカム】主要アウトカムは喀痰中のIL-8濃度。ほかの炎症性アウトカムは喀痰中の好中球数、好中球エラスターゼ濃度、MMP-9濃度。
臨床的アウトカムは、肺機能、高張食塩水誘発気道過敏性、喘息コントロール、QOL、症状。

【結果】クラリスロマイシン治療は有意にIL-8濃度、好中球数を減少させ、QOLスコアを改善させた。
好中球エラスターゼ濃度とMMP-9濃度も減少。これら炎症メディエーターの減少は難治性非好酸球性喘息患者にもっとも顕著であった。

【結論】クラリスロマイシン治療は、不応性喘息患者のIL-8濃度、好中球集積と活性化を調節することができる。マクロライド治療は喘息における重要な付加治療として、非好酸球性炎症の減少、特に好中球性炎症を減弱することができる。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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