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骨粗鬆症薬剤のシステマティックレビュー

2007/12/21

 複数の骨粗鬆症治療薬の有効性、安全性を比較した、製薬企業注目?のシステマティックレビュー。

Systematic Review: Comparative Effectiveness of Treatments to Prevent Fractures in Men and Women with Low Bone Density or Osteoporosis
Ann Int Med 2008;148:Issue 3

【背景】骨粗鬆症治療に関しては幾種類も薬剤があるが、相対的な有効性・毒性はよく分かっていない。
【目的】骨粗鬆症薬剤の骨折リスク減少のベネフィットと副作用に関する有害性の比較。

【データ源】MEDLINE (1966年から2007年11月)およびほかのデータベースで検索した英語論文。

【データ抽出】 標準化プロトコールを使って、骨折、副作用イベント、薬剤および比較対象、研究デザイン、手法の質の差異を抽出。

【データ統合】椎体骨骨折をプラセボに比べて予防するということに関し、アレンドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸、エストロゲン、副甲状腺ホルモン(1-34)、ラロキシフェンでは、エビデンスレベルは“good”。カルシトニンは“fair”であった。
大腿骨頸部骨折に関しては、アレンドロネート、リセンドロネート、エストロゲンのエビデンスレベルは“good”。ゾレドロン酸は“fair”であった。
ビタミンDは椎体骨折と大腿骨頸部骨折の双方で、投与量、アナログ、対象人数の違いによって効果がばらついた。
ラロキシフェン、エストロゲン、エストロゲン/プロゲスチンは血栓塞栓症のリスクを増加させ、エチドロネートは食道潰瘍、胃腸穿孔・潰瘍・出血のリスクを増加させた。

【限界】異なる薬剤・種類間の骨粗鬆症治療薬剤同士の直接比較が少ない。

【結論】骨粗鬆症による骨折予防の有効性を示すエビデンスのレベルは多くの薬剤で“good”だったが、薬剤間の有効性や安全性を比較するデータは不十分である。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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