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急性尿閉による死亡リスク上昇は、50歳前後が最も高い

2007/12/15

 「急性尿閉という臨床症状がある男性は全般的に死亡率が高い」というのは、尿閉の原因を来す合併症の存在によるのだろうと想像するのだが、「影響が一番出るのは45~54歳男性」ということに一番驚いた。

 疫学データなので細かいメカニズム分析はできてなく、考察でも合併症の影響が語られているだけである。
Mortality in men admitted to hospital with acute urinary retention: database analysis
BMJ 2007;335:1199-1202

イギリスのNHSトラストのデータベース(1998-2005)において、急性尿閉の初回エピソードで入院した45歳以上の男性17万6046人を対象に分析。

自発性急性尿閉患者10万67人では、45-54歳の年間死亡率は4.1%で、85歳以上では32.8%。誘発性急性突発性尿閉患者7万5979人の年間死亡率は、それぞれ9.5%、45.4%であった。

最も多かった自発性急性尿閉患者の75-84歳の群では、合併症がない場合の1年死亡率は12.5%。合併症がある場合は28.8%であった。誘発性75-84歳では、それぞれ18.1%、40.5%。

一般住民に比較して、死亡率が相対的に最も増加するのは45-54歳で、標準化死亡比は自発性において10.0、誘発性で23.6。標準化死亡比は85歳以上が最も少なかった。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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