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真のアンチエイジング治療? SIRT1活性化物質による2型糖尿病治療

2007/12/12

 長寿遺伝子SIRT1の活性化作用が強い物質を2型糖尿病の治療に使えるかどうか。米マサチューセッツのChristoph Westphal of Sirtris Pharmaceuticalsというバイオ医薬企業の動物実験。

Small molecule activators of SIRT1 as therapeutics for the treatment of type 2 diabetes
Nature 2007;450:712-716 .

レスベラトロール(resveratrol)はSIRT1を活性化するポリフェノールで、マウスにおいて、高脂肪食を与えたマウスの健康年齢を延長するほか、グルコース低下作用、運動耐容能能増加作用が示されている。

レスベラトロール(resveratrol)と構造が類似しない、SIRT1の活性化物質を同定し、レスベラトロールよりも1000倍以上の活性をもつ物質を見付けたとのこと。

カロリー制限をすることなく、カロリー制限と同じ効果が得られるか…? 開発者たちは楽観的に考えているようで、「ヒトや様々なモデル動物では加齢現象をコントロールする遺伝子であるSIRT1をカロリー制限、運動により誘導できる。レスベラトロール、今回発見したさらに1000倍の活性をもつ低分子はカロリー制限と類似した効果をもたらすかもしれない」と答えているそうである。

主要な3つの糖尿病モデル、Diet-Induced ObesityすなわちDIOマウス、ob/obマウス、Zucker fa/faラットで インスリン感受性亢進を示し、インスリン値の低下をもたらしたとのことで、まずは糖尿病治療への利用が期待される。

糖尿病だけではなくアルツハイマーやALS、癌、炎症などにこの応用が期待されると著者ら…Nature Podcastから引用


 サーチュイン(Sirtuin)はNAD+依存性脱アセチル化酵素ファミリーの総称であり、中でも、過剰発現により個体の寿命延長効果を示すSIRT1が近年注目を浴びている。またサーチュインは寿命のみならず、アポトーシスや細胞周期などにも大きな影響を及ぼすことが知られている。 (参考引用:http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/Vol5No1/TJB200601200200775.html)

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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