昨年10月、New England Journal of Medicine(Vol.355:1763-1771 )で、スパイラルCTで検出されたステージ 1 の肺癌患者の10年生存率が90%近くになるというリード文献(International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study )が公表された。メディアの関心をかなり集め、肺癌検診の即時開始の根拠になるものと感じた方もいるだろう。
ところが、上記の考えに反対する報告がなされた。
Overstating the Evidence for Lung Cancer Screening
The International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study
Arch Intern Med. 2007;167:2289-2295.
4つの理由でこの論文は検診の根拠とはなり得ないという。
(1)この研究は対照群を持たない。
(2)バイアスのないアウトカム測定がない。
(3)このトピックスに関して、事前の研究における知見について考察がない。
(4)検診のデメリットに触れられていない。