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スパイラルCTによる肺癌検診の効果に反論

2007/11/30

 昨年10月、New England Journal of Medicine(Vol.355:1763-1771 )で、スパイラルCTで検出されたステージ 1 の肺癌患者の10年生存率が90%近くになるというリード文献(International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study )が公表された。メディアの関心をかなり集め、肺癌検診の即時開始の根拠になるものと感じた方もいるだろう。

 ところが、上記の考えに反対する報告がなされた。
Overstating the Evidence for Lung Cancer Screening
The International Early Lung Cancer Action Program (I-ELCAP) Study
Arch Intern Med. 2007;167:2289-2295.

 4つの理由でこの論文は検診の根拠とはなり得ないという。

(1)この研究は対照群を持たない。
(2)バイアスのないアウトカム測定がない。
(3)このトピックスに関して、事前の研究における知見について考察がない。
(4)検診のデメリットに触れられていない。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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