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病院機能評価の調査項目を調査してみてはどうか?

2007/11/21

 日本には病院機能評価というシステムがある。真の医療の質とは、患者の生存率とQOLをどれだけ高められるかと私は考えているが、評価を行っている日本医療機能評価機構は果たしてそれを判断しているのだろうか?

 「ホテルと同等の表面的な患者満足度だけを追求して、その結果だけで病院の良し悪しを決めるシステム」に成り下がってないだろうか? 患者の生存率改善やその後の患者のQOL改善を調査項目が反映しているかどうか。このシステムは顧みていない。

  アメリカにも同様にNational Quality Forum などの評価機構がある。そこで採用している病院医療の質の評価指標の1つに「大腸癌手術後の12個以上のリンパ節検査」があるが、生存予後に関与していないということが判明した。

 ミシガングループのSurveillance, Epidemiology, and End Results (SEER)を用いた研究で、JAMAの論文。
 Hospital Lymph Node Examination Rates and Survival After Resection for Colon Cancer
JAMA. 2007;298:2149-2154.

大腸癌手術後に12個以上のリンパ節検査をしている患者の比率が高かった病院は低リスク患者を治療している傾向が強かった。そして、手術数(procedure volumes)が多かった。

こういった因子を補正した後の病院でのリンパ節検査率と術後生存率に、有意な統計的な関連はない (調整済みハザード比は、リンパ節検査率で分けた最高四分位の病院群と最低四分位の病院群で0.95、95%信頼区間 0.88-1.03)。

リンパ節検査率で四分した4つの病院群ではリンパ節検査数にばらつきがあったが、リンパ節所見陽性発見頻度は同等で、術後化学療法の実施率も包括的に見れば同等であった(最高四分位群と最低四分位群の比較で、26% vs 25%)。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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