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Obesity Paradox : 肥満の方が予後がよい?

2007/10/18

 肥満がすべて悪いのだろうか?

 「BMIが増えると合併症・死亡率が減る」という“Obesity Paradox”なる現象の存在が議論され始めている。

 Obesity paradox in patients with hypertension and coronary artery disease. Am J Med 2007 120:863-70. Uretsky S, Messerli FH, Bangalore S et al.

obestiy paradoxについて、冠動脈疾患を有する2万2576人の高血圧治療患者で検討。対象者の2.2%がやせ、20.0%が正常体重、39.9%が過体重、24.6%がclass I の肥満、13.2%がclass II~III の肥満。

正常体重の患者を対照とし、全原因死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の初回発症を検討すると、過体重、class I~IIIの肥満で発症が少ないことが判明し、やせ患者の方がリスクがより高かった。

この結果は、血圧減少が最も少ないclass I 肥満でさえ見られるものであり、BMIは必ずしも特定の高リスク患者においては合併症・死亡率を意味するものではない。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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