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コミュニケーション下手が苦情を招く

2007/09/05

 患者・医師のコミュニケーションがうまくいかないと、患者の苦情が多くなる。行政監督機関が調査した苦情については、国家試験時のコミュニケーション・スコアが一つの推定因子となり得ることが判明した。医師の技量として、コミュニケーションスキルが重要であることが改めて判明したわけである。

◆Physician Scores on a National Clinical Skills Examination as Predictors
of Complaints to Medical Regulatory AuthoritiesJAMA.2007;298:993-1001.

カナダの臨床的スキル試験を受けた上で、オンタリオ、ケベックで資格を取った医師3424人を対象とした2005年までのコホート研究で、臨床経験2~12年までを比較。

行政監督機関が患者の訴えを調査したファイル。
3424人の医師に対して、1116の苦情ファイルがあり、696の苦情が調査後も問題ありと認識された。

医師のうち、17.1%が(当局により認知された)苦情を有し、そのうち81.9%がコミュニケーションと医療の質の問題だとされた。
患者・医師コミュニケーションスコアは31~723(平均510.9[SD91.1])。
コミュニケーションスコアが2SD未満のものは、
・苦情:+1.17/100人年 : 相対リスク 1.38 (95%信頼区間1.18-1.61)
・コミュニケーション苦情:+1.20/100人年 : 相対リスク 1.20 (95%信頼区間1.15-1.77)

従来の筆記試験に、臨床医師決定スコアの推定能力補正したところ、患者・医師コミュニケーションスコアの苦情の予測因子は有意差が維持されたまま(尤度比テストP<0.001)であり、最下位4分位のスコアのものは、苦情9.2%(95%信頼区間4.7-13.1%)の追加的説明となり得る。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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