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カルシウムはサプリメントより食事で

2007/06/22

 代替治療などに対して、盲目的な人が洋の東西を問わず、多いようである。以下の報告などは、私にしたら、当たり前のような気がするのだが、驚いている研究者もいるようである。

 考えてみれば、人間を含め動物の体は、抽出物などを吸収するようには体の構造はできてないわけだから、あくまでも食事由来の栄養成分摂取が基本のはず…。それをバカみたいに構成成分のみを人工的に作り、それを食物より高い値段で売り付ける。現状はそういう商売の無限連鎖を換金している商売が多すぎる。

 今回紹介するのは、サプリメントより食事からカルシウムを取る方が骨密度増加には効果的という話である。

 食事由来のカルシウムを摂取する女性では、エストロゲンの水酸化経路が活性化され、ひいては骨密度が増加するのである。

◆Effects of dietary calcium compared with calcium supplements on estrogen metabolism and bone mineral density.Am J Clin Nutr.2007;85:1428-1433.

168人の閉経後女性でカルシウムに関して、サプリメントと食事由来のカルシウム量、尿中エストロゲン代謝産物、椎体骨・大腿骨近位部骨塩を研究。

カルシウム摂取を
(1)食事主体群(70%以上食事からのカルシウム摂取)、(2)サプリメント主体群(70%以上をサプリメント)、(3)食事・サプリメント混合群(それ以外)
で分類。

食事主体群と混合群とも、サプリメント主体群より有意に非エストロジェン/エストロゲン代謝産物 (2-hydroxyestrone 1/16{alpha}-hydroxyestrone) 比が低下 (P=0.03)。

補正BMDzスコアは、食事主体群と混合群では、サプリメント主体群より椎体(P=0.012)、大腿頸部(P=0.02)、総大腿(P=0.003)、大転子間(P=0.005)骨において高値であった。

この相違は、主に食事主体群で顕著で、カルシウム総摂取としては、サプリメントより食事由来の方が効果がある。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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