日経メディカルのロゴ画像

糖尿病高齢者の筋肉量・筋力低下は大

2007/06/01

 糖尿病患者に対する運動指導は、カロリー消費や肥満防止・減量に注目が集まるが、同時に高齢者疾患の一つであり、disuse、つまり「寝たきり」や身体障害などの問題を具有することとなる。社会的にもインパクトのあるのが筋力低下であり、米国ではそうした観点から国家的な取り組みがなされている。

 一方、日本では、何でもいいから歩け歩け、「メタボになるな」「デブになるな」といった、科学性が微塵も感じられない「カエルの大合唱」状態である…。

 基礎疾患を有する場合には、住民ベースの運動指導や介護保険下の予防介護などは注意が必要である。糖尿病患者などに対して、無症候性の心筋虚血や活動性のある蛋白尿・網膜症などのリスクアセスメントはなされているのだろうか。非常に心配である。病院での糖尿病の生活指導の一環として行う運動指導では、やはり一度リスクアセスメントを実施した上で行うべきだろう。ただし、ガイドラインとしては、以下のようにそれぞれ異なっており、推奨に関してもゴールにもばらつきがある。

フランスのガイドライン:末梢動脈疾患(PAD)、蛋白尿、高CVDリスク、65歳以上
ACC/AHA(1997):トレッドミルは推奨IIb(エビデンス確立していない)で、試験前リスクの高い対象者のみ対象
ADA/ACC(1998):PAD、脳血管疾患、安静時ECGのmajor・minor変化のあるもの、CVDリスク2以上のもの

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ