日経メディカルのロゴ画像

癌の症状、では実際に癌なのは?

2007/05/20

 プライマリケア医やGP(General Practitioner)のところには、を思わせる症状の患者が来る。その中に、どの程度の頻度で悪性疾患が潜んでいるのか分かれば、説明もしやすい?

 プライマリケア医としては、日本でも、重篤な疾患を警告する「alarmsymptom(s)」がある場合の「Prestest Probability」(検査前確率)を列記してほしいものだ。できればその対象は広く取ってほしい。

◆Alarm symptoms in early diagnosis of cancer in primary care: cohort study using General Practice Research Database.BMJ;2007;334:1040.

【方法】76万2325人の15歳以上、128人のGP(1994-2000)
癌と診断されたことがない、血尿、喀血、嚥下困難、下血の患者
【主なアウトカム測定】
血尿、喀血、嚥下困難、下血のそれぞれの悪性腫瘍に対する陽性適中率(PPV;Positive Predictive Value)
【結果】
新規エピソード:血尿1万1108人
尿路系癌と診断された人:
 男性:472人(3年間のPPV7.4%、95%信頼区間6.8~8.1%)
 女性:162人(3年間のPPV3.4%、95%信頼区間2.9-4.0%)

新規エピソード:喀血4812人
気道系癌と診断された人:
 男性:220人(PPV7.5%、95%信頼区間6.6~8.5%)
 女性:81人(PPV4.3%、95%信頼区間3.4~5.3%)

新規エピソード:嚥下困難5999人
食道癌と診断された人:
 男性:150人(PPV5.7%、95%信頼区間4.9~6.7%)
 女性:81人(PPV2.4%、95%信頼区間1.9~3.0%)

新規エピソード:下血1万5289人
直腸結腸癌と診断された人:
 男性:184人(PPV2.4%、95%信頼区間2.1~2.8%)
 女性:154人(PPV2.0%、95%信頼区間1.7~2.3%)

 PPVは年齢とともに増加し、例えば血痰では65~74歳で9.0%(6.8~11.7%)から75~84歳では17.1%(13.5~21.1%)と増加する。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ