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身体活動が大きいほどフィットネスは改善

2007/05/18

 「fitnes(フィットネス)」は辞書で調べると、「健康、フィットネス、適当、適応度、適性、(運動による)健康維持」など書かれている。

 心肺機能を高める健康維持運動が、フィットネスになるのだろうか。このフィットネスのレベルが低い場合は、心血管疾患(CVD)や全死亡率が高まる一方、フィットネのレベルが高くなると死亡率の減少を示す。つまり、フィットネスの低さは、その他の多くのリスク要因にすぎないのではなく、独立した大きな予後因子であることが示されている。フィットネスの安全性・有効性・許容性などが依然として重要な問題なのである。

 「毎日30分未満のフィットネスで良いのか」とか、「推奨より多くのフィットネスを行えば、より良好な改善が得られるのか」という疑問が生じてくる。フィットネスと死亡率に逆相関があるのなら、身体活動性とフィットネスの用量依存の関係は重要である。特に、CVDや2型糖尿病、他の慢性疾患のリスクの高い人々にとって大事というわけで…。

◆Effects of Different Doses of Physical Activity on Cardiorespiratory Fitness Among Sedentary, Overweight or Obese Postmenopausal Women With Elevated Blood Pressure: A Randomized Controlled Trial Timothy S. Church; Conrad P. Earnest; James S. Skinner; Steven N. Blair.JAMA.2007;297:2081-2091.

【序】低レベルの心肺フィットネスは死亡率高リスクと相関し、フィットネスを改善すれば死亡リスク減少に関連する。しかし、用量関係は不明であった。
【目的】NIH Consensus Development Panel 推奨の身体活動性で定量化した50%、100%、150%のフィットネス用量依存的な検討を女性で行った。

【デザイン・セッティング・参加者】464人余りの運動をしない閉経後の、過体重あるいは肥満(BMI25-43)女性で、収縮期血圧120~159.9mmHgの人を対象。
テキサス州ダラスで、2001年4月から2005年6月まで実施。

【介入】4群のいずれかにランダムに割り当て、6カ月介入。
102人:非運動対照群
155人: 4-kcal/kg/週(エネルギー消費)
104人: 8-kcal/kg/週(エネルギー消費)
103人:12-kcal/kg/週(エネルギー消費)
目標トレーニング強度は、女性のピークFormula O2の50%相当の心拍。
【メインアウトカム】1次アウトカムは cycle ergometerにて好気的運動。
能力を評価し、ピークの絶対的酸素消費量 (FormulaO2 abs、L/min)を定量化する。

【結果】平均(SD)ベースラインFormulaO2 abs値は1.30(0.25)
週平均(SD)運動時間は
4kcal/kg群:72.2 (12.3) 分/週
8kcal/kg群:135.8(19.5)分/週
12cal/kg群:191.7(33.7)分/週

年齢、人種/民族、体重、ピーク心拍で補正後、運動群は対照群と比較してFormulaO2 abs増加
4kcal/kg群:4.2%
8kcal/kg群:6.0%
12cal/kg群:8.2%
(それぞれ対照群と比べて、P<0.001)

年齢、BMI、体重、ベースラインのFormulaO2 abs、人種/民族、ベースラインのホルモン治療に関して、サブグループとの関係はなかった。

ベースラインから6カ月後まで、どの運動グループも、対照群と比較して収縮期血圧値の有意な変化はなかった。

【結果】この研究により、運動不足、過体重・肥満閉経後女性において、運動トレーニングのレベルに従い、用量依存的な運動能力の増加がもたらされた。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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