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H.ピロリで喘息・アレルギー疾患が減少か
(4/28 訂正)

2007/04/25

 10歳になる前のヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)感染は、喘息アレルギーのリスク減少と関連するかもしれないという論文が出された。

◆Inverse Associations of Helicobacter pylori With Asthma and Allergy Arch Intern Med.2007;167:821-827.


7663人の成人のデータ(Third National Health and Nutrition Examination Survey)を用い、H.ピロリの状態と喘息既往、皮膚感作を比較。
喘息の既往および現病歴、アレルギー性鼻炎、前年のアレルギー症状の補正オッズ比を調べた。
CagA-、CagA+H.ピロリの血清陽性と、H.ピロリがない血清を検討。

【結果】cagA+H.ピロリは、喘息の既往と逆関連(オッズ比0.79、95%信頼区間0.63-0.99)。
小児(15歳以下)発症喘息は、成人発症喘息よりも、cagA+陽性と強い逆相関(小児発症喘息:オッズ比0.63、95%信頼区間0.43-0.93、成人発症喘息:オッズ比0.97、95%信頼区間0.72-1.32)。

H.ピロリのコロニゼーション、特にcagA+種は、アレルギー性鼻炎の現病歴(オッズ比0.77、95%信頼区間0.62-0.96) 、および既往(オッズ比0.77、95%信頼区間0.62-0.94) と逆相関。
特に小児期発症のアレルギー性鼻炎では逆相関性が強い (オッズ比0.55、95%信頼区間0.37-0.82)

H.ピロリのコロニゼーションと、前年度のアレルギー症状、花粉・カビの感作との間に一定した逆相関関係が見られた。

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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