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私のこだわり―成人の伝染性紅斑
(4/19 訂正)

2007/04/19

成人の伝染性紅斑は微細で、なかなか分かりにくい。

 町医者として、専門外かもしれないが、特定の病気に思い入れを持ってしまうことがある。それはほかの人にとっては当然のことなのかもしれないが、臨床にはちょっとした知的喜びがあった方が楽しいなどと私は思っている。

 私にとって、その一つが伝染性紅斑だ。
 成人例では、
(1)大腿外側部と腹部、特に脇腹辺りのレース状発疹のみで、かつ、それが非常に微細で判別も難しい例がある。
(2)紅斑は有痒性であることが成人例では稀でない。
 ということを、統計などで示せないが勝手に思っている。数年前、当地で流行があり、「成人例もありますよ」と保育園児を持つ母親に言ったところ、同じ保育園での親御さんがある程度まとまって来院したことがある。その経験から、そう考えていたが、久しぶりに同様のケースを最近、経験した。

 伝染性紅斑は、ヒトのパルボウイルスB19(PV-B19)によるもので、発疹は古典的な3相性の発疹を持つとのこと。

第I期 紅斑はたたかれたように頬に現れ、明るい紅斑が突然出現し、口・眼周囲は少ないという特徴があり、鼻周辺が著明。日焼けに類似したり、時には浮腫状となり、2~4日で消失。

第II期: 1~4日の頬骨発疹があるうちに、紅斑性な斑状・麻疹様発疹が四肢に広がり、手掌、足底にまで及ぶことがある。掻痒症は稀。

第III期: 数日経過すると、第II期の発疹はレース状となり、四肢近位側に特に著明である。伝染性紅斑は、「slapped-cheek disease」(頬ひっぱたかれ病)という異名を持つが、その名とは異なり、この網状パターンこそが発疹性感染症の中でも明らかに特徴的所見で、唯一の疾患特異的な所見である。この第III期は3日から3週間続く。消失し始めた後、発疹は物理的刺激、例えば運動、日光、温入浴、ストレスで再出現する。(参考:eMedicine

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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