“The A TO Z Weight Loss Study”の結果が報告された。それは、低炭水化物・高脂肪食ダイエットであるAtkins食事による効果を肯定するものであった。この食事方法に関しては、現象的には確かに体重減少という効果があるようである。ただ、そのメカニズムや危険性に関しては諸手を挙げて賛成するわけにはいかないと思っている。
Gardnerらは、過体重・肥満、非糖尿病、閉経前女性に、以下の4種類の炭水化物含量の食事をランダムに割り付け、1年間の変化を評価。
Atkins (very low carbohydrate:超低炭水化物)
Zone (low carbohydrate:低炭水化物)
LEARN (low-fat, high carbohydrate:低脂肪、高炭水化物)
Ornish (very high carbohydrate:超高炭水化物)
Atkins食では、最も体重減少が大きく、1年のフォローアップ期間を通して包括的な有益な代謝への影響が見られた(図)。
◆Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial. JAMA.2007;297:969-977.
平均12カ月間の体重減少
Atkins:-4.7kg (95%信頼区間:-6.3~-3.1kg)
Zone:-1.6kg (95%信頼区間:-2.8~-0.4kg)
LEARN:-2.6kg (95%信頼区間:-3.8~-1.3kg)
Ornish:-2.2kg (-95%信頼区間:-3.6~-0.8kg)
Zone、LEARN、Ornish群では統計学的有意性はなかった。
12カ月後、Atkins群で2次アウトカムである代謝に関して有益性が認められた。