私は「Nature podcast」を愛用しているが、皆さんも聞いてほしい。
「この種の疑似科学的な番組内容は国家的にも損失をもたらすため、規制すべきであり、自主規制では不可能(今回のAruaru(あるある)問題は自主規制であるBPOなどは何の効力も発していなかったという証明だろう)、何らかの監視機関が必要という結論は既に出ているのである。しかし、現時点でも、総務省はそれを指導していない」
これは今回の問題が国際的な恥さらしであるという証明であり、『Nature』という一流科学雑誌にもこの「Aruaru(あるある)」問題が記載された。既に報道・掲載されたことなので、多くは割愛するが…。
◆Japanese TV show admits faking science.Nature;445:804-805.
自分たちの研究をマスメディアへ語る科学者にとって、日本のテレビ・ショーのスキャンダルにより、いかに物事が悪く運ぶかを端的に示すものであった。
関西テレビ会社(KTV)は、番組の一つで科学的結果を偽造し、外国人の話に偽りのアフレコを上乗せしていたと認めた。日本のメディアからの抗議の後、会社は番組の継続を取りやめた。
神経学学者であり、日本学術会議会長である金沢一郎氏は、
「the council's guidelines on academic fraud should apply to anyone doing experiments, even for television shows」
たとえ、テレビショーであっても、学術的詐欺(academic fraud)に関する学会ガイドラインを適応すべきであるというステートメントを発表している。
テレビ局によりなされるガイドラインを楽観視できないとして、「彼ら(テレビ番組制作側)の目標は科学的真実を求めることではなく、巨大な圧力がかかっているのである」と述べている(制作サイドへの経営・金銭的利得からの圧力ではないかと想像するが…)。
見え透いた「あるある」のような例は稀としても、科学的な真実を超え、熱狂的に聴衆を先導することへの制限が、日本ではなされていない。