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ARBと利尿薬の合剤で糖尿病が増加?

2006/12/01

 日本でもアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と利尿薬の合剤である、ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド錠が発売されるとのこと。

 私は、ALLHAT研究以来、利尿薬であるヒドロクロロチアジドを積極的に導入してきた。降圧効果としてはかなりの手応えがあり、それまで他剤にてコントロール困難だったケースでも、コントロール可能になることが多く見られるなど、それまでの私が食わず嫌いだったことが分かり、無類のヒドロクロロチアジド好きになり、今回の合剤発売を喜んでいる1人である。

 ただ、ALLHATの再考察(Arch Intern Med.2006;166:2191-2201.)で、利尿薬投与により、血糖増加はあるが、糖尿病のリスク増加とはいえないといった報告があり、やはり血糖と尿酸への悪影響の疑念を払拭できないでいる。

 そんな折、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬+Ca拮抗薬とARB+サイアザイド系利尿薬で、メタボリックシンドロームにおける耐糖能への影響の違いが報告され、やはり気になる内容になっていた。トランドプリル/ベラパミルSR(T/V) とロサルタン/ヒドロクロロチアジド(L/H)を比較した研究なので、日本で一般的に使われる処方かどうかは疑問であるが…。

 この研究は、IGT(耐糖能障害)の高血圧患者を対象とし、前向きオープンラベルの盲検的エンドポイントデザインを用い、

1次アウトカムとして、経口血糖負荷(OGTT)2時間後のベースラインからの変化
2次アウトカムとして、インスリン感受性、診療所での血圧・ABPM、新規発症糖尿病、脂質、炎症性マーカー

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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