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脅かされる医療者の「公的利他主義」

2006/11/07

 米国では「Centers for Medicare and Medicaid Services (CMS) 」という医療の報酬支払い側のセンターが出現した。このセンターが何をやるのか、医療関係者は注目して見ているようである。この議論の中に、日本の現状と今後の状況が垣間見れるような気がする。

 この辺りのことがNEJMの論文、「Paying for PerformanceーRisks and Recommendations」(NEJM.2006;355:1845-1847.)で紹介されている。CMSの表向きの目的はケアの質の改善にあるが、多くの医師は“効率”(すなわち、ケアのコスト)が唯一の焦点となることを恐れている。そして、センター側がそのような指標を使って都合良く医療機関側を選択することをさらに恐れているのである。

◆現行のメディケアにおける、医療機関のパフォーマンスの評価項目

・予防サービス
子宮頸癌検診:1~2年次のPapテストの一つ以上の比率
タバコ:2年間の1つ以上の測定時の患者の喫煙比率
・糖尿病
血糖試験:糖化ヘモグロビン試験の糖尿病患者での実施比率
血糖コントロール:糖化ヘモグロビン>9%、糖尿用患者の比率
・うつ
急性うつ治療マネージメント:大うつの新規診断比率と、12週の急性治療期間において継続されている抗うつ治療比率
うつ継続マネージメント:大うつの新規エピソードと6カ月以内に抗うつ治療継続されている比率
・過剰検査・治療測定についての項目
上気道感染(URI)治療:URI診断した患者のうち、エピソードの日から3日以内に抗菌薬を処方しなかった率
咽頭炎小児の検査:咽頭炎診断された患者のうち、抗菌薬処方をし、A群レンサ球菌検査比率


著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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