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中年でも起立性低血圧が死亡率増加に寄与

2006/08/17

 OH(起立性低血圧)が中年成人でも死亡率の予後因子となるとのこと。

 Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Studyからの解析で、起立性低血圧を、「起立時、収縮期20mmHg減少もしくは拡張期10mmHg減少」と定義すると、一般人の5%という比率で存在するとのこと。今までは、高齢者や虚弱な一部の人に見られるとのことだったが、対象がより広がったことになる。

◆Orthostatic Hypotension Predicts Mortality in Middle-Aged Adults The Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study(Circulation.2006;114:630-636.)

OH(起立時、収縮期20mmHg減少 or 拡張期10mmHg減少)と13年間の中年黒人・白人男女の研究
全原因死亡率はOHあり13.7%、OHなし4.2%
民族・性差・年齢補正後、OHの全原因死亡率ハザード比(HR)は2.4(95%信頼区間 2.1-2.8)
心血管リスク要因・死亡率リスク要因補正後もその相関は変化なく、HR 1.7(95%信頼区間 1.4-2.0)
この相関は、フォローアップ2年除外、冠動脈疾患・癌・卒中・糖尿病・高血圧・健康状態不良の自覚なしに限定しても、継続
死亡原因分析にて、各リスク要因OH有無比較の死亡率ハザードは心血管疾患原因死亡HR 2.0(95%信頼区間 1.6-2.7)、他原因死亡でHR 2.1(95%信頼区間 1.6-2.8)
原因分析としては、癌に対しては有意差なく、オッズ比 1.1 (95%CI 0.8-1.6)となる

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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