これまでも、低テストステロン値の機能低下を生じ、死亡リスクを増加させる(J Am Geriatr Soc.2004;52(12):2077-81)という報告はあった。
今回、Arch Intern Med.2006;166:1660-1665.に同様な報告がなされた。あくまで、後顧的研究であり、原因・結果に関する他の要因も考慮されると思うが、私にはインパクトがある内容だった。
血中テストステロン値は加齢男性で低く、筋量減少・骨塩減少と関連し、adiposity増加、インスリン抵抗性増加と関連する。
Shoresらは、40歳以上のテストステロン低値、正常にて、全原因死亡率をCox比例ハザードモデルにて検討。
8年のフォローアップにて、正常テストステロン群に比べ、低テストステロン群は、年齢・合併症や他の寄与因子補正後も88%ほど死亡リスクが高い。急性疾患の影響、年の死亡を除外するなど検討を加えると、低テストステロン群は有意に死亡リスク増加と関与。
もともと、hypogonadal older menに関してうつ増加(Arch Gen Psychiatry.2004;61(2):162-7.)など、死亡率に寄与する状態も示唆されていた。
以下のメモ:
加齢における性腺機能低下症は、40~70歳で、米国では350万人の男性、2010年に540万人に増加。
勃起障害、射精障害、血中のテストステロンが50歳以上で減少、筋力・量の低下、中心性脂肪増加。
血中総テストステロン<200ng/dL(>400ng/dLを除外)、LH、FSH、Prolactin測定を。
うつと関連
治療前には必ず、PSA、血液検査を(http://www.fpnotebook.com/URO3.htm)