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低テストステロン状態は死亡リスクを増加

2006/08/16

 これまでも、低テストステロン値の機能低下を生じ、死亡リスクを増加させる(J Am Geriatr Soc.2004;52(12):2077-81)という報告はあった。

 今回、Arch Intern Med.2006;166:1660-1665.に同様な報告がなされた。あくまで、後顧的研究であり、原因・結果に関する他の要因も考慮されると思うが、私にはインパクトがある内容だった。

血中テストステロン値は加齢男性で低く、筋量減少・骨塩減少と関連し、adiposity増加、インスリン抵抗性増加と関連する。
Shoresらは、40歳以上のテストステロン低値、正常にて、全原因死亡率をCox比例ハザードモデルにて検討。
8年のフォローアップにて、正常テストステロン群に比べ、低テストステロン群は、年齢・合併症や他の寄与因子補正後も88%ほど死亡リスクが高い。急性疾患の影響、年の死亡を除外するなど検討を加えると、低テストステロン群は有意に死亡リスク増加と関与。


 もともと、hypogonadal older menに関してうつ増加(Arch Gen Psychiatry.2004;61(2):162-7.)など、死亡率に寄与する状態も示唆されていた。

以下のメモ:
加齢における性腺機能低下症は、40~70歳で、米国では350万人の男性、2010年に540万人に増加。
勃起障害、射精障害、血中のテストステロンが50歳以上で減少、筋力・量の低下、中心性脂肪増加。
血中総テストステロン<200ng/dL(>400ng/dLを除外)、LH、FSH、Prolactin測定を。
うつと関連
治療前には必ず、PSA、血液検査を(http://www.fpnotebook.com/URO3.htm)

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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