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乳癌リスクは胸部X線で増大

2006/08/05

図1 X線照射と発癌寄与リスクとの関係

 2004年のLancetの論文(Lancet.2004;363:345-351)で、「日本の年間被爆頻度最も多く、75歳でのの累積リスクが3%超と推定(イギリス 約0.6%、発展途上国0.6%-1.8%)」と発表された。

 当時は、多くの議論があったと思う。もう一度図1をみると、1年1回の検診がなければ、日本の診断用放射線被曝は他国並みに下がるのではなかろうか。


 先月、職場の定期健診で年1回行われている胸部X線検査について、厚生労働省は、対象を原則40歳からにする方針との報道があった。年齢によるリスク層別化の指針ができたわけである。

 特定の癌リスクの人たちに対して、X線照射は配慮が必要なようである。

Effect of Chest X-Rays on the Risk of Breast Cancer Among BRCA1/2 Mutation Carriers in the International BRCA1/2 Carrier Cohort Study: A Report from the EMBRACE, GENEPSO, GEO-HEBON, and IBCCS Collaborators'Group.Journal of Clinical Oncology.2006;24:3361-3366

乳癌リスクの大きいBRCA1、BRCA2遺伝子を有する女性に関して、コホート研究の結果、胸部X線被曝の乳癌リスクはハザード比[HR] 1.54(p=0.007)で、40歳以下の女性(HR=1.97 p<0.01)、1949年以降の女性(HR=2.56、p<0.001)、特に20歳以前に暴露された場合(HR=4.64 p<0.001)で増大。


 

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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