
ティンプー市内にあるメモリアル・チョルテン。ジグミ・ドルジ・ワンチュク国王(第3代)の死後すぐに建立された霊廟兼追悼施設。
読者の皆様、はじめまして。西澤和子(にしざわよりこ)と申します。2011年5月から、南アジアに位置するヒマラヤの小国ブータンで、新生児(生後4週未満の赤ちゃん)を専門に診療する小児科医(新生児科医)として働いています。
人生は計画通りにはいかないものです。帰国子女でもなく大した留学経験もないこの私が、日本から遠く離れた異国の地で、しかもいわゆる開発途上国と呼ばれる国で、現地の医師たちと同じように臨床医として働くことになるとは、自分でも全く想定していませんでした。
東日本大震災が起きた昨年、私は後ろ髪を引かれつつも、運命に導かれるように日本を後にし、このヒマラヤの小国に降り立ちました。ここに至るまでの過程、そしてここで見たこと、感じたこと、経験したことを、この連載を通じて日本の皆様にご紹介できれば幸いです。