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qSOFAは救急外来や病棟以外でも活用できる?

2017/09/12
近藤豊

 2017年5月、Harvard Surgery Dayというハーバード関連病院の外科が集うカンファレンスが開催され、私も数人の日本人救急医と敗血症について議論を交わす機会に恵まれました。演題発表の際、偶然にも隣の方が日本人だったのです(写真1)。

 その議論において、敗血症は治療ができても、それ以上に効果の判定が難しいのではないかという話になりました。診断についても同様で、CD69の発現の具合からT細胞の活性度を見たり、血中のDNA量を測定したりして敗血症の補助診断とするような試みもあります。その中で、近年登場したquick SOFAqSOFA)は画期的な敗血症診断のツールとなり得るでしょう。

 既に多くの方がご存じの通り、2016年に敗血症診断基準が変更されました。いわゆるSepsis-3(敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版)[1]です。この基準において、敗血症は「感染に対する制御不能な宿主反応によって引き起こされた生命を脅かしうる臓器障害」と定義されました。従来の基準では敗血症は「感染に伴うSIRS(全身性炎症反応症候群)」と定義されており、これではただのかぜも時として敗血症となってしまうため、臨床では重症のものに限って敗血症と呼んでいました。敗血症の新たな定義は、より現場に即したものとなったわけです。

 今回は、Sepsis-3で登場したqSOFA[2]をめぐり、登場から1年半を経た現在の知見を踏まえてお話ししようと思います。

著者プロフィール

近藤 豊

ハーバード大学医学部外科学講座リサーチフェロー

2006年琉球大学卒業。初期研修を沖縄県立中部病院、後期研修を聖路加国際病院で修了。その後、琉球大学大学院へ進学し、救急医学講座講師や附属病院救急部副部長を兼任しながら修了した。救急科専門医、外科専門医。外傷や敗血症を得意分野とする。敗血症やARDSなど救急分野の様々な診療ガイドライン作成を担う。将来は臨床と研究を融合しながら救急医学を追究したいと考えている。趣味は散歩とコーヒー。

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