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誰もが悩む「留学後の身の振り方」

2010/10/18
堀越裕歩

 臨床留学をしている医師が必ず直面することになる問題があります。「留学後の身の振り方をどうするか」という切実な悩みです(もちろん、日本にいる医師だって同じようなことで悩むのですが)。私たちのように海外に身を置く者にとって、実際のところ大きな選択肢は2つです。すなわち、日本に帰るか、海外に残るか――。

 臨床留学の終わりを迎え、つい最近までその悩みに直面していた私の経験を紹介して、連載の最終回にしたいと思います。

臨床留学をキャリアにどう生かすか
 身の振り方を考えるとき、「そもそもどういうルートで臨床留学したか」ということが大きく進路を左右します。医局や指導医の口利きで留学した場合は、お礼奉公ではないですが、よほどのことがない限りは元の所属先に戻って、海外での経験を還元するのが一般的です。医局の場合は特にそうでしょう。

 コネを使わずフリーの立場で留学した場合は、それはそれで大変です。帰国しようと思ったら、自分で就職先を探さないといけません。海外に残る場合も、すべては自分の腕や実績次第になってきます。

 私の場合は、医局を通した臨床留学ではなかったので、医局に戻る義務のようなものはありませんでした。しかし、全くフリーの立場で来たというわけでもなく、日本でお世話になった先生方に推薦状を書いていただいたり、留学先に話をしていただいたりして、何とかここまでやってくることができたわけです。ですから、その先生方に対して強い感謝の念を持っていることはもちろん、できることなら何らかの形で恩に報いたいという気持ちを忘れたことはありません。

 もっとも、進路を決める上で何よりも重視すべきは、「将来、自分が何をやりたいか」でしょう。これから臨床留学を目指す若い方々も、「臨床留学という貴重な経験を自分のキャリアの中でどう生かすか」ということを、留学前、留学中、留学後にわたって、常に意識してほしいと思います。加えて、自分の家族やプライベートとのバランスをどう取っていくかを考えるべきでしょう。

著者プロフィール

堀越 裕歩

トロント小児病院 小児科感染症部門・クリニカルフェロー

2001年昭和大学医学部卒業。沖縄県立中部病院(インターン、小児科レジデント)、カンボジアの小児病院で医療ボランティア、国立成育医療センターの総合診療部等を経て、2008年7月より現職。東南アジアにおける小児国際医療協力・研究、新潟県中越地震の際の緊急支援などに従事。趣味は、スノーボード、野球とサッカー観戦。トロントでもフットサルで活躍中。

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