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独立した小児感染症科の意義とは?

2010/02/24
堀越裕歩

 日本の大学病院や小児病院で、独立した専門科として小児循環器科や小児腎臓科を掲げているところはあっても、小児感染症科を掲げているところは少ない上、その多くが他の専門科との併設で感染症以外も診療しています。

 小児感染症を専門とする小児科医がいないわけではないのですが、一般小児科あるいは他の専門診療科を診ながら小児感染症も診ているのが実情で、日本で小児感染症だけを診るポジションはなかなかありません。これには次のような理由があると思います。

1)小児疾患の多くは感染症であることから、一般小児科医の守備範囲に感染症が含まれている。
2)系統立てられた小児感染症の臨床教育プログラムがない。
3)3次医療施設でも、専門診療科として小児感染症科があるところが少ない。
4)感染症科の仕事のうち、感染管理チーム(ICT;infection control team)のみがクローズアップされている。

 今回は、これらの項目ごとに考察したいと思います。

感染症科を含めた総合診療的なアプローチを
 小児疾患の大部分が感染症であるため、一般小児科医は、ある程度の感染症を診る必要があります。細菌性肺炎や溶連菌咽頭炎の治療法を知らない一般小児科医はいないでしょうし、これらの疾患は一般小児科の診療で必ず遭遇します。

 それでは、エンテロバクター敗血症や真菌性肺炎ならどうでしょうか。大学病院や小児病院であれば、時折遭遇する疾患です。エンテロバクターは、治療中に耐性化が起きることの多い菌として知られており、菌の感受性があればどの抗菌薬を使用してもいいわけではありません。真菌性肺炎は小児腫瘍科医なら診る機会が多いかもしれません。

著者プロフィール

堀越 裕歩

トロント小児病院 小児科感染症部門・クリニカルフェロー

2001年昭和大学医学部卒業。沖縄県立中部病院(インターン、小児科レジデント)、カンボジアの小児病院で医療ボランティア、国立成育医療センターの総合診療部等を経て、2008年7月より現職。東南アジアにおける小児国際医療協力・研究、新潟県中越地震の際の緊急支援などに従事。趣味は、スノーボード、野球とサッカー観戦。トロントでもフットサルで活躍中。

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