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メディカルスクールにみるアメリカ医学教育の目的とは

2009/09/30
高橋孝志

 私は東京で生まれ育ちましたが、15歳のときに親の都合で渡米しました。その後、ワシントン州シアトルにあるワシントン大学と大学院を経て、ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるウィスコンシン医科大学を2008年に卒業しました。現在はミネソタ州ミネアポリスにあるミネソタ大学で、放射線科のレジデントとして働いています。医師としては、やっとスタート地点に立ったところですが、私の体験が少しでも読者のお役に立てばと思い、アメリカの医師養成機関であるメディカルスクールについて、皆さんにレポートしていきたいと思います。

日本よりも2年間の遠回り
 日本では、医師を養成するための教育機関として6年制の大学が設置されており、「医学部(医学科)」と呼ばれています。一方、アメリカでは、医師養成機関は「メディカルスクール」と呼ばれており、日本における大学院レベルの教育機関として位置付けられています。つまりアメリカで医師になるためには、18歳で大学に入学し、4年間の大学生活を経て学士号を取得し、さらにそこからメディカルスクールに4年間通ってM.D.(Medical Doctor)またはD.O.(Doctor Of Osteopathy=整骨医)の学位を取得しなければなりません。つまり、留年せずにストレートに進んだ場合でも、メディカルスクールを卒業するときには26歳になり、日本の医学部に比べると2年間の遠回りをしていることになります。

 実は、あまり知られていないのですが、アメリカにも日本と同じように高校を卒業してすぐに6年制のメディカルスクールに進むという方法もあります。私の知る限りでは、アメリカの約120校のメディカルスクールのうち、2校だけがこの6年制のプログラムを採用しています。

 2年も早く卒業できるのなら、高校卒業後に6年制のメディカルスクールに進む方が合理的で優れているように思えます。にもかかわらず、なぜ6年制のメディカルスクールはアメリカにごくわずかしか存在しないのでしょうか。

著者プロフィール

高橋 孝志

ミネソタ大学放射線科研修医

ワシントン州ワシントン大学で電気工学科学士および修士を取得。2008年にウィスコンシン医科大学を卒業後、ミネソタ州Hennepin County MedicalCenterにて、スーパーローテーション方式である Transitional Yearインターンとして勤務。2009年7月より現職。

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