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「沈みゆく大国アメリカ」の現実

2015/03/13
河合達郎
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 先日帰国した際、最近話題となっているジャーナリスト堤未果氏の『沈みゆく大国アメリカ』(集英社新書、2014年)という本を読みました。読んでいない方のために要約すると、2010年に成立し、2014年から実施されているオバマケア(アメリカ版皆保険制度)によって、医療を食い物にした弱肉強食のマネーゲームが加速され、無保険者が救われるどころか保険を持っている人までが高額な医療費を払うことができず自己破産に陥っていく。さらに、膨大な事務作業や訴訟によって、医師たちもどんどん医療現場を去っていっており、アメリカ医療の大崩壊が始まったと刺激的なタッチで書かれています。

著者プロフィール

河合 達郎

マサチューセッツ総合病院移植外科/ハーバード大学医学部外科教授

1981 年に日本大学医学部を卒業後、外科と臓器不全治療そして免疫学が交錯する移植外科に惹かれ、腎移植と透析医療のパイオニアであった太田和夫教授が主宰する東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科に入局する。91年にマサチューセッツ総合病院(MGH)移植外科にリサーチフェローとして留学し、A. B. Cosimi、David Sachs 両教授の下で3年間、移植免疫の研究に従事。94年に帰国、96年に東京女子医大第3外科准教授。97年に移植臓器の免疫寛容誘導を臨床で実現するために再渡米。アメリカ医師免許取得後、MGHの臨床スタッフとなり、2002年から臨床腎移植での免疫寛容誘導のための治験を開始した。薬のいらない臓器移植(免疫寛容)を標準的な治療とすることをライフワークとしている。08年にハーバード大学准教授、12年にMGH移植外科A. B. Cosimi Endowed Chair、15年より現職。 趣味は柔道(4段)。

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