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インフォームド・コンセントの本当の意味

2010/03/25
加藤友朗

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか? すっかりご無沙汰してしまいました。その間に、ニューヨークでは美しい秋が足早に過ぎ、寒い寒い冬が来ました。今ようやくその冬が終わりに近付いてきましたが、つい最近も大雪でニューヨークの街は大変でした。もう3月になったというのに、まだしばらくは寒い日が続きそうです。

 私の働くコロンビア大学の病院の窓からは、マンハッタンの西側を流れるハドソン川が見えます。真冬は、最高気温が氷点下の日が多く、川が凍り付いていることもあります。ハドソン川の対岸はニュージャージーです。寒々とした眺めを想像する方も多いと思いますが、氷の浮かぶハドソン川を眼下に、雪景色のニュージャージーを対岸に望む光景は、実はとてもきれいです(暖かい病院の建物の中から眺めている限りは…)。

 病院はマンハッタンの北の端にあるのですが、そのすぐ横には対岸のニュージャージーに渡るジョージ・ワシントン・ブリッジがあり、これも病院の窓から見えます。巨大な銀色の橋の鉄骨が冬景色にとてもよくマッチして、晴れ渡った日にはちょっと神々しささえ覚えるような迫力があります。

 ところで、前回の記事をアップしてすぐに、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の取材がありました。ほぼ2カ月間付きっきりで取材を受けて、こちら側もそれなりに大変でしたが、時間と手間を惜しまない取材チームの姿勢は素晴らしく、番組の仕上がりもよいものになったのではないかと思います。既にこのブログにも感想を寄せていただいているようですが、ほかにもご覧になった方があれば、ぜひ感想をお聞かせください。

説明だけじゃ意味がない
 さて、今回はインフォームド・コンセントについて書いてみようと思います。

 インフォームド・コンセントという言葉が日本の医療現場で用いられるようになって、かなりの時間がたちます。皆さんは、インフォームド・コンセントをどのような日本語に置き換えて理解されているでしょうか? 「説明を受けた上での同意」というのが、最も一般的な理解の仕方ではないかと思います。私は、この「説明を受けた上での同意」という日本語訳が、本来のインフォームド・コンセントの概念を間違って伝えているのではないかと思っています。

著者プロフィール

加藤 友朗

コロンビア大学医学部外科教授
/New York Presbyterian Hospital肝小腸移植外科部長

1963年東京生まれ。87年東京大学薬学部卒業、91年大阪大学医学部卒業。大阪大学にて臨床研修(一般外科)修了後、95年に渡米しマイアミ大学移植外科へ(クリニカルフェロー)。97年同大学外科助教授。2000年に帰国し、大阪大学消化器外科助教に。このとき日本での生体肝移植に携わる。03年に再び渡米、マイアミ大学に戻る(外科准教授)。07年同大学外科教授。08年に現在のコロンビア大学外科へ。09年同大学外科教授。

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