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ワークライフバランスのよい人はウエイトバランスもよい?

2010/06/30
日比野誠恵

 臨床現場の状況は、社会の縮図であるとも考えられます。例えば、病的肥満の患者が増えていることから、アメリカ社会の病みざまが把握できるという具合に。実際、この10~20年でアメリカの成人の肥満度は確実に増していることが統計で示されています(図1)。

 今回は、本連載のテーマである「ワークライフバランス」に引っ掛けて、私の経験を交えながら「ウエイトバランス」についてお話ししたいと思います。

体重減量手術の件数が増えている
 ミネソタ大学病院では、かつて外科医のバックウォルド先生が体重減量手術(Bariatric Surgery)のパイオニアとして活躍していました。そうした経緯から、現在もかなり大規模な体重減量手術プログラムがあります。そのため、病的肥満の患者数が増えるにしたがって、体重減量手術の件数もうなぎ登りに増加しています。また、病的肥満の合併症を起こして救急受診する患者も増えており、このような患者を診ないシフトはないのではと感じるほどです。

 初期の体重減量手術としては、1954年に外科医のクレメンが行なった腸バイパス術が知られています。しかし、あまりにも合併症が多かったため、次第に実施されなくなりました。

 これに代わって、胃潰瘍の外科的治療を受けた患者に体重減少が見られることをヒントに、アイオワ大学のメイソンとイトーが1966年に胃バイパス術を確立しました。この方法は、Restrictive (胃を小さくする)とMalabsorptive(小腸での栄養吸収を減少させる)を組み合わせて体重を減少させるものです。胃バイパス術を受けた患者のほぼすべてで大きく体重が減少しますが(約50~75%)、術後1~2年程度で落ち着いてくるようです。

著者プロフィール

日比野 誠恵

ミネソタ大学ミネソタ大学病院救急医学部准教授

1986年北里大学医学部卒。横須賀米海軍病院、セントジュウド小児研究病院、ピッツバーグ大学病院、ミネソタ大学病院を経て、1997年より現職。趣味はホッケー、ダンス、旅行など。

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