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最も質問を受けたドイツ医師資格について

2015/05/25
金子英弘

筆者が取得したドイツの医師免許。

 この連載でご報告したように、渡独から4カ月がたった2014年8月にドイツの医師国家資格(以下、医師資格)を取得することができました。

 ベルリン州から発行されたドイツの医師資格の証明書は、薄紙に印刷されたシンプルなものです。日本の医師免許証のように透かしの入った重厚なものではないので、実際に受け取ったときは少々拍子抜けさせられました。

 筆者のドイツ留学に関して、最も多くご質問いただいたのがドイツの医師資格(Approbation als Arzt:BÄO §3)についてです。アメリカの医師国家試験であるUSMLE(United States Medical Licensing Examination)に関しては、日本に受験予備校があるほどポピュラーですし、情報も比較的入手しやすいと思いますが、ドイツの医師資格に関しては、ほとんど情報が出回っていません。

 ドイツへの臨床留学や、ドイツでの医師資格の取得に関心がある方も少しずつ増えてきているように思いますので、ドイツの医師資格について詳しくご説明したいと思います。

数年前まで日本人はドイツ医師免許の取得は不可
 2012年4月1日前は、ドイツ連邦医師法(Bundesärzteordnung)上、欧州連合(EU)・欧州経済領域(EEA)加盟国民以外の外国人はドイツの医師資格を取得できませんでした。仮に、ドイツの大学で医学教育を受け、ドイツの医師国家試験に合格したとしても、日本国籍しか有していなければ(普通はそうでしょうが)ドイツの医師資格は取得できません。  この場合、ドイツで医師活動を行うためには、一時医師活動許可(通称Berufserlaubnis:BÄO §10)と呼ばれる許可を各州から取得する必要がありました。医師資格がドイツ全土で生涯有効であるのに比べ、一時医師活動許可は許可を受けた州の中でのみ医師活動が有効になるもので、有効期間も1年または2年に限られ、長期に医師活動を行う場合は、その都度、更新しなければならなかったようです。

著者プロフィール

金子 英弘

循環器内科医(ブランデンブルグ心臓病センター・ブランデンブルク医科大学)

東京都出身。2004年慶應義塾大学卒。同大医学研究科にて基礎研究に従事後、心臓血管研究所付属病院で循環器臨床(主に心臓カテーテル治療)、臨床研究に携わる。14年4月より日本学術振興会海外特別研究員として、ドイツのブランデンブルグ心臓病センターに留学。ドイツ医師資格を取得し、TAVI、MitraClip、左心耳閉鎖などstructural heart disease interventionの手技・臨床研究を行っている。16年4月からは常勤スタッフとして勤務。専門分野は、心臓カテーテル治療、虚血性心疾患、心不全、心臓弁膜症。医師資格(日本・ドイツ)、医学博士、循環器内科専門医。趣味は読書(歴史小説)、スポーツ観戦(野球、サッカー)。

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