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アメリカでの就職・受験に不可欠なのは自己アピール

2010/06/14
喜吉テオ紘子

有名公立病院での初の女性CEOとなったジーン・オカナー(写真中央部、サングラスをかけた女性)。

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校UCSF看護大学院の卒業生の多くは、上級臨床家(ナースプラクティショナーや専門看護師など)として活躍しますが、それ以外にも様々な方面で活躍しています。

 特に看護管理や医療政策を専攻した修士課程の同級生たちの中には、病棟マネージャーや看護大学の教員になる人、医療系IT会社、製薬会社、医療物品会社などに就職した人もいました。ユニークなところでは、アメリカ心臓協会(AHA)の北カルフォルニア支部に勤めたり、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のルワンダ駐在員として活躍したりしている人もいます。

 有名な卒業生としては、サンフランシスコ公立病院の最高経営責任者(CEO)を1989年から2010年まで務めたジーン・オカナーさんがいます。アメリカでは、他の企業と同じく病院にもCEOの役職があり、医師や看護師、ビジネスマンがCEOとして活躍しています。また、CEOの下に臨床分野のトップとして、医師が務めるChief Medical Officer(CMO)や看護師が務めるChief Nursing Officer(CNO)といった役職があります。

 USCFと関連の深いサンフランシスコ公立病院は、サンフランシスコで唯一の救急医療指定病院であるだけでなく、ホームレスや無保険者の最大の受け皿として重要な機能を果たしています。また1980年代から全米で先駆的なHIV関連治療・研究・ケアを提供してきました。さらには、文化・民族別の精神科病棟があることでも有名です。特殊な患者層や市営という難しさを抱えながらも、不思議と魅力のある病院なのです。いまだに電子カルテもなく、老朽化した施設であるにもかかわらず、トップレベルの医療を提供できているのは、職員の病院に対する高いプライドと団結力が大きいと思います。

NCLEXを受験してアメリカの看護師免許をゲット
 UCSFでの修士課程を修了した私は、まずはアメリカの医療を体験したいと思い、カリフォルニア州の看護師免許を取得するためNCLEX(National Council Licensure Examination-Registered Nurse)の勉強に励みました。

 NCLEXは、日本の看護師国家試験とは異なり、複数の患者を受け持つような臨床場面における看護業務の優先順位を問う問題や、看護助手などへの業務委託に関連する問題(どのような業務を委託するのが適切か、どのように委託すべきか、など)も出ます。NCLEXの受験を通して、医療英語だけでなく、日本とは違う医療文化に関しても学ぶことができました。

著者プロフィール

喜吉テオ紘子

カルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)看護学博士課程
/UCSF Medical Center 臨床研究病棟看護師

10歳から15歳までアメリカで過ごす。帰国後、国際基督教大学高等学校に入学。2000年聖路加看護大学卒業後、2003年まで虎の門病院分院の内科病棟(肝臓・精神科)勤務。2005年カルフォルニア大学サンフランシスコ校看護学修士取得(看護管理・医療政策専攻)。2005年よりカルフォルニア州Registered Nurseとして現職。2007年よりUCSF看護学博士課程に在籍。日米の医療安全・医療の質向上に興味を持つ。在米中は主に翻訳・投稿・学会発表を通じて日本の看護界とのコネクションをキープ。博士論文のテーマは「呼吸器関連肺炎(VAP)予防ガイドラインの活用促進因子の探求」。趣味は料理、ランニング、サイクリング、ワイン・テイスティング(カルフォルニア・ワインはいいですよ)。

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