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オミクロン株が全然“かぜ”じゃないコロナ病棟

2022/02/08
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 コロナ病棟で膀胱バルーンカテーテルを挿入していたとき、付き添っていた看護師が私に言いました。

 「毎日のように酸素が必要な患者さんが入院してきますね。オミクロン株が“かぜ”っていうのは、どこの世界なんですかね」

 コロナ病棟にいるから、たくさんの患者さんのうち、入院が必要な症例だけを目の当たりにしているというバイアスもあるでしょう。しかし、それにしても肺炎が多い。

 軽症中等症病床に入院要請がある場合、来院前に肺炎があるかどうかは基本、分かりません。そのため、入院してきた人を連続的に診ることで、「肺炎が多い・少ない」という実感をコロナ病棟だからこそ得られるのです。

 大阪府で最も肺炎が多かったと感じたのはアルファ株第4波でした。デルタ株第5波もそれなりに肺炎の頻度が高かったのですが、酸素を必要とする中等症II以上の肺炎を起こす頻度は、第4波が一番高かったのです。当院では、その頻度は実に66.5%です。軽症中等症病床に新規入院してくる患者さんの3分の2が呼吸不全に陥っていたのが第4波でした1)

 オミクロン株が主流と思われる第6波ですが、12月~1月前半と、1月後半~2月では全然景色が異なります。恣意的ではありますが、時期を2つに分けて臨床像を見てみましょう(表1)。面倒なので、統計解析はしていません。取りあえず、表の右側が現在の軽症中等症病床から見た景色です。

表1 第6波の現在までの前半・後半を比較(筆者作成)

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、インフェクションコントロールドクター。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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